2011/06/30

GROTRIAN その1

今日はSTUDIO73のピアノの話しをします。

1980年STUDIO73をオープンする時に選んだのが、ドイツ製GROTRIANピアノ。
クララ・シューマンが愛したピアノとしても知られていますが、
高麗橋にあるGROTRIAN(当時はGROTRIAN-STEINWEG)の日本の総発売元、丸一ピアノ・ハープ社のショールームの中から選んだのはwalnut色の、貴婦人のような上品な響き<Model189>のピアノ。


GROTRIANの特徴は何と言っても音響板にあるでしょう、低音の重厚な響き、高音の繊細な美しさ
その日から私たちの大切なパートナーとなりました。


1985.9.14.初めて山下洋輔さんが登場した時の記念すべき1枚
walnut色が美しい・・・



さらにもう一人のパートナーとの出会いがありました。 
私たちのGROTRIANをいつも見守って下さる丸一ピアノ・ハープ社の山田滋社長です。
ピアノのメンテナンスについては勿論のこと、コンサートでのより良い響きを求めてさまざまな相談をさせてもらいました。いろんな場面で支えて下さり、いつの間にか家族のようなおつき合いになりました。




そして1980年から14年が経過し、多くの方に弾いてもらう内にピアノの状態が少し弱ってきたよう・・・決心して、1994年黒色<Model225>にチェンジ!サイズも1回り大きくなりました。
walnut色のピアノは貴婦人のような繊細さを持っていましたが、新しい黒は若者の力強さを感じさせます。

ピアノの搬出入作業の間、ずっとピアニスト高瀬佳子さんがお別れの曲を弾き続けて、愛しいピアノとのお別れをしました。
 
GROTRIAN社の社長(後列真ん中)の来日時に、高瀬佳子さんに弾いてもらった時の記念撮影。
真ん中が山田滋社長、左が調律師の稲本さん 。<2003.10.27>